現代人になくてはならないガジェットであるSNSとスマホは墨と筆にとって変わるのか。 句会プラットフォームであるtanzac代表・たねの氏に聞く。脳内インタビュー

—tanzacを拝見しました。縦書きが目を留めてくれますね。ウェブ上での縦書きは色々と制約があると思いますが、それはやはり外せないポイントだと?

「おっしゃる通りです。入力されたテキストをリアルタイムで縦書きとして表示したかったんです。技術的にはご存じの通りCSS3で縦書きの指定もできるようになりました。しかしブラウザごとの差異がまだ大きいのです。そこで僕は縦書きを実現するtaketoriというスクリプトを利用させていただいています。描画時に文字数に応じて位置修正などを独自に行っていますが、そこは力技です。」

—ウェブ上では長らく横書きが普通です。縦書きにこだわるのはやはり日本の文化だからですか?

「ええ、それもありますが、一番大きな理由はスマートフォンです。」

—スマホですか?詳しく教えてください。

「すっかり現代人に浸透したスマホですが、それって縦長ですよね。横向きの利用もできますが、製品としては縦長です。そしてスマホを手にして頭に浮かんだのが、私の場合は短冊だったんです」

—私などは、七月七日の七夕でしか馴染みがない短冊ですが、スマホの縦長フォルムは短冊としてはずんぐりむっくりな気がしますが。

「細かいところはいいんです。大事なことは縦長のガジェットに縦長のコンテンツ。あのエルサ(*)もありのままで、と歌ったように、タテタテが自然体なんです。マリアージュとも言えますね。 級数(*)も思い切り大きくすることで、スマホを川柳や俳句、短歌といった和歌のためのキャンパスにすることに成功しました」

—エルサもマリアージュも関係ないですよね?しかし左から始まる横書きに慣れた目に、右から始まる縦書きは馴染まないようにも思います。

「それは言わないでくださいって言ったでしょう」

—級数を大きくすることで視線を刺さりやすくし、かつ移動も少なくし違和感を払拭することにチャレンジした、ということでいいですね?

「まさにその通りです。私の意図したところが、まさにそれです」

—SNSとスマホは現代人にとって必須のツールです。

「川柳や俳句といった和歌って、SNSで表現、発信、拡散するためには短すぎるんですよ。基本五七五の17音節で、文字数にしたらそれよりも短い場合も多々ある。短文サイトのツイッターでさえ文字数は200文字としました。川柳はそれよりもだいたい1/11も少ない」

「例えば「蛙さん」と漢字で書くと3文字であり、ひらがなだけで書いた場合と比べてさらに40%も文字数が少なくなる計算です。スマホの画面はパソコンよりも小さいですが、それでも画面に対してのコンテンツ量がスカスカなんですよ。川柳や俳句って」

—なるほど、画面映えしない川柳をどうしていくか、ということですね?

「察しがいいですね。縦書きにこだわるのも答えの一つです。SNS時代のキーワードは「画面映え」だと思っています。上手く言えないのですが、ビジュアルはもちろん、ビジュアル以外の面においても、いかにマッチさせていくか」

—tanzacさんは川柳や俳句を再解釈して、現代にマッチさせていく場になるということですね。

「その通りです。誰もが知っている巨匠、松尾芭蕉が現代にいたら、どうやって一句詠んだだろうってよく想像するんです。墨と筆じゃ機動力が落ちるからスマホで下書きしたのかな、とか。川柳サイトとしては後発なんですが、そういう視点を具現化していくことでよりたくさんの人に楽しんでもらおうと考えています」

—ところで、川柳プラットフォームの代表であるたねのさんへのインタビューということで、どこかで一句挟んでくるかと期待していました。

「それはそれ、これはこれということで。ただ川柳や俳句を詠むことに縁がない人でも楽しんでもらおうという視点は持っています」

—興味深いです。それは詠む以外の楽しみ方を提供するということですか?

「YES!高須クリニック」